LONG THO寺障がい児保護センター支援プロジェクト

LONG THO寺 障害児保護センターについて
ベトナムの首都、ハノイから南に約700㎞。東南アジア有数の世界都市、ホーチミンから約1,000㎞に位置するフエ省・フエ市。LONG THO寺 障害児保護センターは、2010年、同市に開設されました。現在、約90名の障がい児が生活している施設です。

ベトナムでは、日本と比べ障害福祉サービスが十分に整備されておらず、地域格差が大きいようです。その為、国内外の個人・団体からの寄付金・寄贈品で運営しているのが実情で、当社もこれまで菓子類や米等の食料提供、施設環境整備費の寄付、文房具や学用品等の寄贈等を行ってきました。この活動は今後も継続して実施します。

子ども達の才能を広く発信
子ども達は、絵を描くことで、自分なりの世界観を表現しております。作品のひとつひとつは、とても色彩豊かで観る人の心が豊かになる作品ばかり。

私達はその作品を購入し、作品の販売はもちろん、カレンダーやポストカード等のグッズ制作を行い販売しております。この販売を通して、子ども達の才能を広く発信していくことが当社の役割です。そして、売上の一部は継続的に現地に寄付して参ります。

子ども達が愛に満ち溢れている事が伝わる事を願って…

すべての人がこの世界を言語で表すことができるとしたら、子どもたちは自分なりに世界を見て、描いた絵を通してすべてを表現しています。

そこには川、山、生活に身近なもの、テレビでしか見れない不思議なものなどが描かれています。子どもたちがすべての人々と比べて特別であったり、ハンディを持っていたとしても、この絵を通じて子どもたちの人生は退屈なものではなくそれどころかとても豊かで多様性があり、愛に満ち溢れていることが伝わることを願っております。

LONG THO寺 障害児保護センター
施設長 ティック・ヌー・トアイ・ギエム

リユース車椅子プロジェクト

カン君との出会い

LONG THO寺 障害児保護センターに訪問した際、カン君に出会いました。カン君は四肢に障害を抱えており、車いす無しでは生活できないのですが、その車いすは身体に合っておらず、苦しそうでした。その為、施設内では、床に寝そべって生活している状態でした。

日本でも同様なのですが、車いすを作り変えるには、相当な時間がかかります。成長期のお子さんにとっては、身体に合わない車いすで何年も過ごさなければならず、大変です。

そんな状況を目の当たりにして、クッションなどを使い少しだけ補正するなどして苦しさを和らげようと努めましたが、やはり、身体に合った車いすが必要と感じながら、帰国しました。

飛んでけ!車いすの会
当社がある北海道札幌市に、NPO法人「飛んでけ!車いす」の会があります。

日本で使われなくなった車いすを集め、修理をし、海外旅行をする旅行者の手荷物として発展途上国の病院や施設に、直接送り届ける活動を行っている団体です。

カン君の現状を伝えたところ、カン君が座れそうな車いすを準備して頂きました。

身体に合った車いすを届けにベトナムへ

飛んでけ!車いすの会に準備して頂いた車いすを持って、再度、渡越。

当日、車いすに座ったカン君の表情が一変!すごく良い表情を見せてくれ、一生懸命お話しようとするのがわかりました!
「良かったね!座りやすいね!かっこいいね!」と声をかけると、大きく口を開けて答えてくれたり、たくさんの笑顔があふれました。

そして、この1台を通して、もっと多くの人に身体に合った車いすを届け、笑顔になってもらいたいと強く思うようになりました。

北海道フェスティバルinハロンに併せて8台の車いすを運搬

現地では、車いすの必要な方が、松葉杖で生活をされたり、身体に合わず、車いすのない生活をされている方が車いすを望んでいます。

いつもベトナムへ向かう際には、車いすを一台ずつしか運べませんが、同じ目的で渡航する方に協力を得る事ができれば、多くの車いすを運ぶ事ができるのでは?と思っておりました。

そんな折、北海道フェスティバルinハロン参加の為に渡越する方々の協力を得て多くの車いすをお届けする事が実現。

飛んでけ!車いすの会を通じて、ベトナム現地の障がい者団体に問い合わせたところ、クアンニン省内から31名の希望者のリストがあがってきました。

その中の12名について、本人からの聞き取り・身体計測を実施したうえで、「飛んでけ!車いす」の会で、の身体の形状にあった車いすが見つかった8名分について、整備いただけることになりました。

8台の車いすは、北海道フェスティバルに参加される、北海道議会議員の皆様と一緒に運搬ボランティアを行い、計8台の車いすをクアンニン省まで運ぶことができました。

贈呈当日は、みなさん車いすの到着をとても心待ちにされており、車いすを見て、とても喜ばれる姿に、私たちも本当に幸せな気持ちでいっぱいでした。

「足の状態から長く歩行ができない。これで仕事で移動する時に助かります」
「座れる車いすがないから、いつも床に横になっている。良かったね!これでお散歩に行くことができるね」

など、とてもたくさんの喜びの言葉が飛び交っていました。

現地では、まだまだ車いすを必要とされる人が多く、車いすが足りていない現状を目の当たりにしました。
今後も仕事でベトナムへ行く際には、1台ずつでも車いすをボランティアを続けて参ります。